毎日jpのニュースより、以下抜粋。
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クローズアップ2010:6年半ぶり、円売り介入 市場と神経戦続く
政府・日銀による6年半ぶりの為替介入は、一時1ドル=82円台に突入した円高をいったん押し戻した。だが、円急伸の背景にある米欧の景気減速懸念が薄らいだわけではなく、単独介入でこのまま円高圧力を抑え続けられるかは未知数。今回の介入を事実上黙認した米欧諸国も景気下支えのため自国通貨安を志向していることに加え、中国に為替相場の柔軟化を求めているだけに、介入が長期化すれば日本への風当たりを強める可能性がある。【大久保渉、ワシントン斉藤信宏】
◇投機筋、再度円買いも
介入に慎重とみられていた菅政権が一転して、大規模な円売り介入に踏み切ったことで、市場には「追加的な介入警戒感が強まり、一時的ではあろうが、円高の足止め効果が発揮される」(第一生命経済研究所の熊野英生氏)との見方が広がった。「介入はない」と高をくくっていた市場を急襲するサプライズ作戦が功を奏した。
だが、今回の円高・ドル安は、日本経済の実力を評価した結果ではなく、米国経済の減速懸念など海外要因で引き起こされている。米連邦準備制度理事会(FRB)が追加の金融緩和策を示唆している上、今月上旬には「一部、欧州金融機関の財務内容の情報開示が不十分」との信用不安も浮上。「自国通貨を売り、消去法的に円を買うという米欧諸国からの圧力は当面続く」(アナリスト)との見方が支配的だ。
欧米経済の先行き不安を示す材料がさらに出れば、投資家がリスク回避姿勢を強め、再びドル・ユーロ売り、円買いに走るのは避けられそうにない。野村証券金融経済研究所の木内登英氏は「FRBが21日に開く米連邦公開市場委員会(FOMC)で積極的な金融緩和姿勢を打ち出せば、今回の防衛ラインになった83円を再び超える可能性もある。その場合、介入効果の寿命はわずか1週間、よく持って2カ月程度」と指摘する。
政府の介入姿勢を試すため、投機筋がもう一度円買いを仕掛ける可能性もあり、政府・日銀は引き続き「マーケットの動向を注視しながら、必要な時には介入も含め断固たる措置をとる」方針。だが、市場の意表をつくサプライズ作戦は、何度も使えるわけではない。成功したとされる今回の介入でも「1ドル=87円程度までしか円安に戻らない」(木内氏)と見られ、多くの輸出企業が想定する1ドル=90円程度に届く勢いはない。市場では「単独介入の限界が露呈する前に、構造的な円高圧力に対抗するための金融・経済対策を政府・日銀は打ち出す必要がある」(大手証券アナリスト)との声が出ている。
◇「通貨安競争」 各国協調困難に
野田佳彦財務相は15日の会見で「必要な関係当局と緊密な連携を取っている」と述べ、介入に海外当局の理解を得たことを強調した。日本の介入について米財務省高官は「コメントを控える」と静観の構え。欧州中央銀行(ECB)もコメントを控えたとダウ・ジョーンズ通信が伝えた。
だが、日米欧の協調介入はユーロ急落に対応した00年のユーロ買いが最後。それ以来米欧は単独介入を控えており、日本が04年まで円高阻止のための単独介入を繰り返し、今回介入を再開したのとは対照的だ。
米国では「為替相場の形成は市場に委ねるべきだ」との考え方が支配的。さらに08年のリーマン・ショックから徐々に回復してきた米国経済は雇用改善の遅れなどで先行きに不安が広がっており、米当局は輸出拡大に有利なドル安を容認しているとみられている。
ギリシャ危機に襲われた欧州も緊縮財政路線にカジを切り、ユーロ安による輸出増を景気回復のてこにしたい考え。「今はまさに通貨安競争」(日本の金融当局幹部)に突入しており、国際的な協調体制の構築は難しくなっているのが実情だ。
さらに米国が神経をとがらせているのが中国・人民元の問題だ。中国が6月に人民元の弾力化を表明した後も、米国では「中国が相場を操作しており、人民元上昇のペースは鈍い」との不満が渦巻く。人民元は15日、終値で3日連続で最高値を更新したが、「米議会が15、16日開く人民元問題の公聴会を控え目先の批判をかわす狙い」(米エコノミスト)との見方が根強い。
米政府は先進各国が足並みをそろえて中国に人民元切り上げ圧力をかけたい考えだが、日本の介入は中国に「日本も為替を人為的に動かしている」と反論の機会を与えることになりかねない。米国では中間選挙が11月に迫っており、日本の介入が大規模・長期化すれば、支持率が低迷するオバマ政権が中国だけでなく日本にも批判的な視線を向ける可能性は否定できない。
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株式市場にとっては今週一番のニュースであろう、6年半ぶりの円売り介入。投機筋の機先を制し、彼らのドル売り円買いの仕掛けを止めたという意味で、一定の成果はあったようですが。記事にもある通り、構造的な円高問題が解決したわけではないので、まだもう一波乱あるかもしれませんね。
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