Yomiuri Onlineから一部抜粋。
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日興上場を維持…東証「不正会計、悪質性高くない」と
東京証券取引所は12日、不正会計問題を受けて上場廃止の是非を検討していた日興コーディアルグループの株式(東証1部)について、上場を維持すると発表した。
当初は上場廃止する方向で調整していたが、カネボウや西武鉄道など過去の上場廃止の例と比較し、廃止が必要なほど悪質性はないと最終的に判断した。
日興は米金融大手シティグループの傘下入りを決め、シティはすでに日興株のTOB(株式公開買い付け)を行う方針を表明している。上場維持で、日興株が上昇する可能性もあり、TOBの成否やシティと日興の包括提携の行方に影響しそうだ。
東証は上場維持の決定と同時に、過去の有価証券報告書の訂正など「情報開示の姿勢に改善の必要性が高い」として、日興に注意を勧告し、26日までに改善報告書を提出するよう求めた。日興は、不適切な情報開示などで、今後5年以内にあと2回、東証から改善報告書の提出を求められると、上場廃止となる。
日興は、投資子会社「日興プリンシパル・インベストメンツ」(NPI)を舞台に利益を不正に水増しして、2005年3月期と06年3月期の有価証券報告書を訂正した。これを受けて東証は、日興の有価証券報告書の虚偽記載が、上場廃止基準に該当するかどうか検討してきた。
東証は、〈1〉日興が組織的に関与していたとの確証が得られなかった〈2〉赤字を黒字にするような粉飾決算ではなく、利益の水増し額が多額ではない〈3〉過去の例に照らしても上場廃止するほどではない――などとして上場の維持を決定した。
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最初に監理ポスト入りした時は、日興CGを上場廃止にすると影響が大きすぎるから上場廃止にはできないだろうと言う意見も多かったように思いますが、最近は上場廃止が規定路線のように報道されていたので、正直びっくりしました。
シティグループによる日興株のTOB話も今回の決定に関係しているんでしょうけど、何か政治的な力を感じずにはいられませんね(日本の大手証券が外資の手に渡るのを懸念してのものでしょうか)。大手銀行の不良債権問題もそうでしたけど、日本の金融業界は手厚く保護されているなあと。早く政治の力を借りずとも世界と戦えるようになって欲しいですね。。。
不正のレベルと上場廃止基準に抵触するかに関しては、不正のレベルは悪質だが、上場廃止基準はグレー(明確には抵触していない)という意見が多いようで、上場廃止するしないいずれに決まっても理由は付けられたんでしょう。
ただ、今回は証券会社が確信犯的に利益水増しをやったという意味でかなり悪質で、おかしな前例を作らないためにも上場廃止に踏み切って欲しかったです。うがった見方ですが、今回の決定が「多額でなければ利益水増しはOK」という解釈をされるならば、市場全体の信頼がガタ落ちですよね。
今回の騒動で株価は乱高下し、投資家に多大な影響を与えたわけですから。このような大混乱を二度と引き起こさないためにも、利益の水増し(粉飾)に対する上場廃止基準を投資家保護の観点から早急に明確にして欲しいです。
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